語り尽くせない汽車物語 10話 “石打駅 雨の慕情” 1980年8月31日

上越
EF1620+EF58107 3002ㇾ 特急「北陸」

上越
EF16+EF15152の上り貨物列車。

語り尽くせない汽車物語 10話 “石打駅 雨の慕情”1980年8月31日

上越国境の守護神・補機EF16のお話しです。

貴方は上越国境のバルブは水上派ですか石打派ですか?撮影のしやすさでは石打駅に軍配が上がるようです。

その日は、台風12号(Norris)の接近により風雨波浪警報が出ていました。
そんな悪天候でも雨のバルブ狙いで撮影に向かいました。そろそろ上越線にEF641000番台が投入されEF16が
淘汰される日が迫っていた時代です。

驚いたことに石打では僕と同じ考えの鉄ちゃんが数人いて夜を徹してバルブ撮影に挑んでいました。

深夜の石打駅では、メインターゲットは寝台列車です。「北陸」「天の川」「能登」「鳥海」がやって来ます。貨物列
車も次々とやって来ます。補機EF16の解結作業を興奮しながらバルブ撮影で夜明かしをします。

高校生たちだろうか、比較的若い撮影グループが持ち込んだラジカセでは深夜放送が流されていた。
折からの雨、山間なので感度は悪いがリクエスト曲の八代亜紀の「雨の慕情」が流れ始めた時には正直しびれたのだ・・・。

石打で日常的に行われていた補機EF16の解結作業は、機関車同士の総括制御が行われていない為、それぞ
れの電気機関車に乗務員が乗り込んでいます。補機と本務機の二台の電気機関車のホイッスルと異なるモー
ター音が構内に響きます。

二台は力を合わせて標高256.61mの石打から、清水トンネル内にある茂倉信号場付近の標高676.82mの
サミットまでの26㎞間の標高差419.91mを最急勾配20‰と400R級の急曲線の続く難所を超えるのでした。

今でも、八代亜紀の「雨の慕情」を聞くと、あの石打の夜を思い出します。

夜の石打で会った何人かの鉄ちゃんたちは今頃どうしているだろうか?
今でも鉄ちゃんを続けているのだろうか?

EF16全廃1年後には、峠の守護神EF16のねぐらであった水上機関区は、長岡第二機関区に統合され廃止
されました。1930年8月15日、水上機関区開設以来52年の歴史に幕が下りました。(国鉄時代23号に掲載)

後日談:人気ブログ新潟鉄道記Ⅱさんの2016.1.16のブログを拝見していて、正にあの日あの時、台風接近
中の悪天候の石打で面識こそありませんが、どうやらお互いに肩を並べて「EF1620+EF58107北陸」に夢中
になって撮影していた様です。

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プロフィール

高野 陽一

Author:高野 陽一
あなたは鉄道に感動したことがありますか?
いつの時代の、どこの国の、どんな線区の、どんな車輌や情景でもかまいません。
答えは明白です。それはあなたがカメラという映像媒体を通じて、あなたの魂(SOUL)が何かを感じ、あなたの魂(SOUL)をゆさぶった事にほかなりません。だから、あなたも僕も鉄道を今も撮影し続けているのです。
(社)日本写真家協会会員  (JPS)

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